MICROSEIKI RY−5500U. 15台目修理記録
2021/4/28到着  2021/5/8完成 
A. 修理前の状況
  • 色々探しましたが古い製品で対応が難しい、修理実績など考慮すると、御社以外厳しいように思い修理のお願いをするに至りました。
    状況は以下のようになります。(ちなみにターンテーブルはRX-5000です。)
    • (1)モーターは回るがトルクが弱く、また回転もふらつくのか定速になるまで数分以上掛かる。
      しかも、ターンテーブルは手で33回転または45回転になるぐらいまで介添えをしないといつまで経っても 必要な回転数に到達しない。
      以前マイクロの方からセンタースピンドルの使用オイルはスクアランで問題ないと聞いた記憶が あるので数年に1度入れ替えてます。
      今は室温が低いので多少重いかもしれません。)
    • (2)モーターがコトコト音を立てて回るようになってしまった。
      糸のテンションによっては音がしないこともあるが、調整が難しく多くの場合コトコト音を立てて回る。
      これがコギングでしょうか?
      結構耳障りです。
    • 以上の2つの症状が出てレコードを聴くのが億劫になってます。
      どちらもここ数年の間に徐々にひどくなってます。
      マイクロの処分も考えましたが、アームが2本(SAEC 407&506)使えるプレーヤーは大変高額ですし LUXMANのPD-171ALも生産終了、そんなわけで長年使ってきた思い入れも有りマイクロを使い続けることにしました。


B. 原因
  • 本体のターンテーブル軸のオイルの固着等でモータに過負荷がかかり、駆動AMP−IC劣化(製造中止品)。
    電源整流ブリッジダイオードヒビ割れ。
    モーター安定化抵抗焼損。
    各部経年劣化多し。

C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    モーター駆動AMP−IC交換
    OP−AMP交換。
    半固定VR交換。
    1部フイルムコンデンサー交換。
    定電圧IC交換。
    リレー交換、製造中止で入手困難で高価品。
    1部TR(トランジスター)交換。
    1部FET(電界効果トランジスター)交換。
    電源整流ブリッジダイオード交換


D. 使用部品
  • 電解コンデンサー       22個。
    モーター駆動AMP−IC    2個。
    OP−AMP          1個。
    半固定VR            3個。
    フイルムコンデンサー      5個。
    定電圧IC           2個。
    リレー            5個。
    TR(トランジスター)
    整流ブリッジダイオード    1個。

E. 調整・測定

F. 修理費  85,000円  オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. MICRO SEIKI RY−5500U の仕様(マニアルより)

A. 修理前の点検状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中、 前から見る。
A12. 点検中、 前右から見る。
A13. 点検中、 後から見る。
A14. 点検中、 後左から見る。
A15. 点検中、 左から端子部見る。
A16. 点検中、 上から見る。
A21. 点検中、 下前から見る。
A22. 点検中、 下前左から見る。
A23. 点検中、 下後から見る。
A24. 点検中、 下後右から見る。
A31. 点検中、 下から見る。
A32. 点検中、 下蓋を取り下から見る。
A51. 電源部点検中、 前から見る。
A52. 電源部点検中、 前右から見る。
A53. 電源部点検中、 後から見る。
A54. 電源部点検中、 後左から見る。
A55. 電源部点検中、 上から見る。
A56. 電源部点検中、 上蓋を取り上から見る。
A57. 電源部点検中 ケーブルコネクター点検
A61. 電源部点検中、 下から見る。
A62. 電源部点検中、 下前から見る。
A63. 電源部点検中、 下前左から見る。
A64. 電源部点検中、 下後から見る。
A65. 電源部点検中、 下後右から見る。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 電源部整流基板
C112. 修理前 電源部整流基板。 過電流でヒビが入った整流ブリッジダイオード。
C12 .修理後 電源部整流基板。 リレー1個、整流ブリッジダイオード1個、電解コンデンサー3個交換。フイルムコンデンサー3個追加。
C13. 修理前 電源部整流基板裏
C14. 修理(半田補正)後 電源部整流基板裏。 フイルムコンデンサー1個追加。
C15. 完成電源部整流基板裏 不要なフラックスを取り洗浄し、コート液を塗布。
C21. 修理前 モーターコントロール基板
C22. 修理後 モーターコントロール基板、
       半固定VR4個、電解コンデンサー18個、モーター駆動AMP−IC.2個交換
C23. 修理前 モーターコントロール基板裏
C24. 修理(半田補正)後 モーターコントロール基板裏。 フイルムコンデンサー1個追加。
C25. 完成 モーターコントロール基板裏。 不要なフラックスを取り洗浄し、コート液を塗布。
C31. 修理前 モーター33/45回転切換基板。安定抵抗が酷く焼けている。
C32. 修理後 モーター33/45回転切換基板。 抵抗1個、リレー1個交換。
C33. 修理前 モーター33/45回転切換基板裏
C34. 修理(半田補正)後 モーター33/45回転切換基板裏。
C35. 完成 モーター33/45回転切換基板裏。 不要なフラックスを取り洗浄し、コート液を塗布。
C41. 修理中 モーター取り出し。
C42. 修理中 モーター取り出し。
C43. 修理中 モーター分解、清掃・点検・注油
C44. 修理中 モーター回転子。
C45. 修理中 モーター回転子(アマチュア)軸、ゴミが入りキズがある。
C46. 修理中 モーター回転子軸拡大、 縦横比変更してあります。
C47. 修理中 モーター上軸受。
C48. 修理中 モーター下軸受、オイルが変質している。
C51. 修理中 モーターは90度回転して取り付ける。
C52. 修理前 モーター固定ボルト3本。クション(ゴム?)が割れている。
C53. 修理(交換)後 モーター固定ボルト3本。 ナイロン絶縁ワッシャ2枚に交換。
C61. 修理前 本体回転数調整の半固定VR。
C62. 修理後 本体回転数調整の半固定VR。
C63. 修理中 ケーブルコネクター点検。
C71. 修理前 モーター部 下から見る
C72. 修理後 モーター部 下から見る、ホースを付ける前。
C73. 修理後 モーター部 下から見る。
C81. 修理前 電源部を上から見る
C82. 修理後 電源部を上から見る
C91. 交換部品
C92. 交換部品。 熱でビニールが後退し、防爆弁が膨らんだ電解コンデンサー。過電流でヒビが入った整流ブリッジダイオード。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1.  BL−111. 11台目を借りて、調整中。
E2. 33回転ストロボ測定
E3. 45回転ストロボ測定
E4. 調整中、回転調整ツマミはセンター位置。
E5.  完成24時間エージング。 右は QUADU.9台目、 QUADU.10台目
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. MICRO SEIKI RY−5500U の仕様(カタログ・マニアルより) 
駆動モーター 8極ヒステリシス・シンクロナスモーター
モーター駆動方式 CR発振器,BTLアンプ駆動
モーター駆動電圧 起動時100V,15秒後50V自動切替
モーター回転数 331/3・45rpm切替(微調整可能)±4% 
78rpm(プーリー切替)
回転数調整範囲 ±4%
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 27ワット(起動時),10ワット(定常時)
付属 定電圧電源ユニット
外形寸法 180(W)×312(D)×136(H)mm
重量 14kg
価格 \198,000
  その他
付属 ドライブ糸 K-5
別売 ドライブ糸 5M(\1,000)
アームマウント AX-1G〜6G、AX-8G(\12,000)
アームマウント AX-7G(\38,000)
アームレスト用ベース RX-1(\500)
備考 アームマウント
AX-1G Micro MA-505X、505S、707X、
ADC LMF-1、LMF-2、EMT 929
Ortofon RS-212、RMG-212、SMG-212II、
Audio-Technica AT-1005II
Audio Craft AC-300C、A
Denon DA-303、305、307、309、401
FR FR-54、24mkII、14
SAEC WE-308N、308SX、407/23
Grace G-545F、707、840FB、940、945S
Technics EPA-101S、L、121S、L、99
Pioneer PA-1000
AX-2G SME 3009SII、SIII
AX-3G Micro MA-505LX、505LS
EMT 997
Ortofon RF297、RMG309
Audio Craft AC-300A、400A、C、400mkII
Denon DA-302、304、308
Grace G-565F、860FB、960
SAEC WE-308L
AX-4G SME 3012
AX-5G Audio-Technica:AT-1503II、1503III
FR FR-64、64S
AX-6G Micro MAX-282
Luster GST801
Audio Craft AC-4000MC
Audio-Technica AT-1501II、AT-1501III
FR FR-66S
SAEC WE-506/30
Victor UA-7082、7045
Technics EPA-100
Grace G660P
AX-7G: Micro MAX-282
Audio Craft AC-4000MC
※RX-5000のみ取付可能
AX-8G: Micro MA-505XII、SII、808X
SAEC WE-308N、308SX、407/23
Audio Craft AC-300mkII、3000MC
                  ry5500-f1r
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2021 Amp Repair Studio All right reserved.